道具とは、楽園へ誘う変換装置のようなもの。
先日、GONESH の INCENSE を焚くために香立を作った。材料は、海岸で手に入れた流木と鉛、銅の薄板、赤いアクリル板を使う。以前、教会で購入した十字架のペンダントヘッドを取り付け完成。1時間程度で出来上がり。それゆえのヘタウマ・フォルムにそれなりの満足。日々、広大な平原を越えてゆく製作三昧の生活。漸く『深夜』へ辿り着けば、そこは『シダーウッド』の森の中。
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伊豆・白浜の骨董屋で見つけたメキシコのエキパルチェア。初めて現物を目にしたのは、90年代・世田谷環八沿いにあった『GALLUP』にて。かつて民芸の作家達が、好んで設えていた椅子でもある。和物の道具類が溢れかえる田舎の骨董屋で、異質な存在感を放っていた。訊けば、別荘で使われていたものとか。南伊豆は、サーフ文化が根付いている土地だ。テラスに置かれていたら雰囲気は西海岸。田舎とはいえ特殊な地域なのだ。
黒ずんだ大小様々な大黒さんや恵比寿さんが、転がるように置かれている空間に、エキパルチェアのアンバランスはとても魅力的。そういえば、『美はただ乱調にある。諧調は偽りである。』そんな哲学も存在する。折衷主義が仕事の骨格である僕にとって、この感覚は大切にしたい。
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箱根のポーラ美術館・ミュージアムショップに4月以来の納品。避暑地の美術館として最も賑わうこれからの季節に向けて、備えは万全にしておきたいものだ。現在開催中の企画展『modern Beauty展』は、『つかのまの美=ファッション』から永遠を見出す『近代の美』の変遷を絵画や、雑誌、装身具、化粧道具、ドレスなどを通して紹介する展。そこに合わせた作品を1点ぐらいは、と思うが、あるわけがない。僕の作るものも『つかのまの美』であるが、そこから永遠を見出し、表現することはとても難しいこと。とりあえず今回は、悠久の歴史を背景に爆進する『中華の人』でも並べておくことにした。
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