志村観行・旅する楽園・海座工房/blog &HP

contact •shimura-umiza@rx.tnc.ne.jp•怪獣、猛獣、草食獣、猛禽類、爬虫類、昆虫、様々な生物がひしめき合う水辺の様な器を作っている。楽園の器だ。そして楽園は旅をする。

2019-01-01から1年間の記事一覧

以前、下北沢のメキシコ雑貨屋で購入した聖人ランプ。 オーナー曰く『アバウトな国なのでプラグは必ず抜いておいてください。』 笑いながら頷いた。 照明にも様々な役割がある。この時期、束の間の輝きを愛でるものなのだから、プラグを入れるその動作すらも…

6月の麻布十番、10月の六本木に吹いた熱い風。勢いそのままに南青山・モルゲンロートのドアが開いた。 波乗りを終えたばかり。な訳はないが、思わせるほど I さんは爽やかに逞しい。 『モルディブの海の色!』彼女の両手にはretro 酒 cup。そして、水面が揺…

南青山・モルゲンロートの福井さんが、この時期再び『鈴木ひょっとこ』さんとの『二人百福』展を企画してくれた。 共通世界は、今昔往来、楽や畏れの道行奇譚。 たどり着くのは、所在の分からぬ隠れ里。 住民は、幸福な生活を願い享受するが、現状に潜む『憂…

今更ながら、10月の展にて。 今年米寿を迎えた筋金入りのコレクターKさんとは長いお付き合い。さすがに物は増やすまいと決めている彼女が歩いてやって来た。しかしハロウィン間近な季節に『蚊遣り豚野郎』と出会うことになる。 60余年、我が庭の様なこの界隈…

これまた遅れに遅れての、後記。 六本木ヒルズ・Art&Design Store 恒例の蚊遣り豚展に、依頼を受けてどうにか1点作る時間を確保し参加。 蚊を殺す『ブキ』なのだから愛嬌は必要なし。不気味に怪しくダークなデザイン。サイケでマットに輝く毒気を含んだ色彩…

麻布十番、ギャラリー・ラ・リューシュの女性オーナー牧浦さんに、壁の一画を占める賑やかな落書の正体を訊いた。 現在は1階のフレンチレストランが、別形態で2階にあった時代の酔いどれアーティスト達の落書。 我らがピーター・ヴォーコスに池田満寿夫、そ…

『獨楽・どくらく』人にはわからないことを、独りでみつけて遊ぶのが、わたしの楽しみです。 美術書の求龍堂から出版された『熊谷守一 画文集・ひとりたのしむ』の中の一行。 20年近く前に、最大の理解者であるコレクターの男性から頂いた、とても大切な一冊…

西荻窪・工房&ショップギャラリー『アトリエ・すゞ途』の店主で陶芸家、矢島さんは古い友人。その縁もあり、東京でのホームとも言えるその街で今年も西荻茶散歩(チャサンポー)の季節がやってきた。 各店無料の茶を楽しみつつ街散歩、をコンセプトに2009年…

4月初旬。様々な生物が集まる楽園の水辺に青年が足を踏み入れた。 終わりかかる冬を背負った彼の表情が緩んでいく。 北国、札幌からやって来たのだから仕方がない。 インスタグラムのフォロワーだと教えてくれた。 人も加わってこその楽園は、やはり眺めの良…

様々な生物が集まる水辺のような器。楽園の器を作ること。 自作の世界を語る時、度々使う文言である。 為政者と勤労者が等しく同居する『モノツクリノクニ』 寛容な王は耳の形など気にすることもなく、唯一無二を愉しみ、活かす智慧を備えた。 貪欲な民は異…

ここ数年の傾向。 恵比寿、大黒、招き猫に福助。そして、とめどなく繰り出される吉祥デザイン。そこにブラックなスパイスを効かせ、陰影ある縁起物をひたすら創作する。 既に『まんぷく』ではあるが、福を求める胃袋に底はない。飢餓が共存するアンバランス…