以前、盃用の箱を作るために、海岸に打ち上げられた板材を集めていたことがある。下田・白浜にて砂に埋もれながらも主張していたその板材の朽ち加減は、跪くほどに荘厳。時を経て、壁掛け棚として蘇る。
カーネリアンを組み込んだ鉛板と9世紀、イスラム・ガラスペンダントを絡ませたアンティーク天使フックを配置して舞台装置の出来上がり。ステージでは、スカルとボッティチェリのヴィーナスが不条理劇を演じている。
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西荻窪のアンティークショップ・North Westで出会ったビンテージデスクランプ。材質は陶磁器。ミッドセンチュリーなフォルムと、その中心に腰掛ける黒人女性の組み合わせは、エキゾでエキセントリック。そこを意図したデザインは、僕の手法と共通する。朽ちたソケットを交換すべく下北沢のアンティークショップ・Time Machineに直行。再生された本体に復刻エジソン電球を仕込みスイッチON.
ヘミングウェイが1939年まで暮らしたココヤシ繁る邸宅が現れた。デスクを照らすこのランプ。彼が暮らした時代には、おそらくまだ生まれていないが、細かいことは気にしない。とにかく僕にとっては『フロリダの南端、キューバに近いキーウェスト』なのだ。
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同業の友人の勧めで昨年久方ぶりに公募展出品。伝統工芸の作家達が中心となり立ち上がった『陶美展』。縁のない世界だが、ステージは日本橋高島屋。無所属OKにつられ、退屈な現状に比較という刺激を求めて参加。単発では意味がないので今年も出品。絶賛開催中。この展の主要な課題は『いつしか生まれた常識やタブーの再点検』だとか。しかし興味深き『モノ』溢れる街では、経営改善のプレゼンごとき言葉を発しても、道行く人が振り向くことはない。この街で必要なのは、世界を作ること。
僕は内田百閒の黒いユーモアと幻想怪異の物語を好む。ただしこの世界。人は振り向きこそすれ、その先の行動は予想もつかない。
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