伊豆・白浜の骨董屋で見つけたメキシコのエキパルチェア。初めて現物を目にしたのは、90年代・世田谷環八沿いにあった『GALLUP』にて。かつて民芸の作家達が、好んで設えていた椅子でもある。和物の道具類が溢れかえる田舎の骨董屋で、異質な存在感を放っていた。訊けば、別荘で使われていたものとか。南伊豆は、サーフ文化が根付いている土地だ。テラスに置かれていたら雰囲気は西海岸。田舎とはいえ特殊な地域なのだ。
黒ずんだ大小様々な大黒さんや恵比寿さんが、転がるように置かれている空間に、エキパルチェアのアンバランスはとても魅力的。そういえば、『美はただ乱調にある。諧調は偽りである。』そんな哲学も存在する。折衷主義が仕事の骨格である僕にとって、この感覚は大切にしたい。
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